やさしい朝
その日本刀を引き抜いて、リンは小さく笑った。
決して几帳面とは言い難いアキラが、手入れなんてものをしてくれていたなんて。
塗られたばかりの油のにおい。
こんな所に立て掛けられた、この刀を、彼はどんな顔で。
素足の右足にフローリングは冷たい。
こっそり抜け出したベッドは、まだ暖かいだろうか。
手にした鈍く美しい金属を元の場所に戻す。
ことん、と何かの音が響いた。
自分の場所に潜り込む。
さっきまであった筈のリンの体温はすっかり消えていた。
それでも、彼の隣にいると何て心地良い。
アキラが起こしてくれるまでは、もう少し、このまま。
彼の寝息がとても規則正しい事になんて、気付かない振りをした。
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((サンクスうねたん ウィズらぶ))