たくさんは、いらない。
 すこしでいいんだ。


 きみの指に力が入ったのが、嘘じゃなければいいと祈る。










ジャストロマンス
                                                                                            








 首にひっかかった、忌々しいタグを思い切り引っ張った。
 ぶち、という音の後で手にだらりと力なくぶらさがる。

 おわったな、言えばきみはいつも通りそっけなくああ、とかそれだけ。







 夕日に目を細める。
 綺麗だとか、そんな言葉もう随分言って無いね。
 ああ言いたいことがあるんだよ。



 きみに言いたいことがあるんだよ。
 でも意気地がない俺に鍵は見つからない。
 誰か教えてくれないか。
 このおもいを言葉にするための何か、機械なんかないですか。




 言いたいことが伝えたいことが。
 









 

 景気づけだと少し無理やりきみの手をとる。
 


 手を握ったら探しものが見つかった。
 これ以上ない良いものが。













 照れてるのか何もきみは言わないけれど。
 指先にこもった力が答えだと思ってもいいですか。











 きみのたくさんのパーツを少しずつでいいんです。
 むしろ終わりが来ないように少しずつが、いいです。



 何度もに分けて、俺にくれません、か。








 とけそうに夕日は沈んだけれどきみはここにいる。






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((ばいばいあかいひび、こんちはきみのひとみのいろのそら))