恋愛なんて結局お互いのエゴ。
 きみはぼくを染めようとして。
 ぼくはきみを染めようとする平行線。


 交われば、そこにうまれるのは。





 捨てた過去の代わりのきみのうで。








交点








 胃が痛い。
 考えようとすると、ぎゅっと締めつけられる。
 握られているのか。誰に。
 誰かに。




「痛むのか。」

 アキラの声すら腹に響いて返事もできない。
 ごめんアキラ、今だけ放っておいて。

「ほら、水。」

 飲みつけた薬と水を差し出すのが意味もなく腹立たしくなって。
 思い切り叩き落とす。




 何でも解った素振りをするな。
 なんでこんなに辛いかも知らないくせに。
 どれだけの時間を一緒に過ごしたって、お前に僕のことなんて理解されてたまるか。




 離れていくのを見送るくらいなら、誰もいらない。








「…また癇癪おこしてんのか。」




「図体ばっかりでかくなっても子供は子供、だな。」




 長くなった金髪に指が滑らかにもぐる。
 あれからもうどれだけ経ったのかな。アキラの指は白く傷ひとつない。
 ああ苦笑いをしてる。
 子供扱いされるのは嫌だってあれほど言ったのに、アキラは子供をあやすみたいに髪を梳く。


「機嫌直せ。んで、これ飲んで寝てろ。」





 もしかして。
 今、線が交わったのかも、知れない。





 髪を梳く手を取って頬に当てる。
 そうか、これが本当の。







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((求めない、ありのまま。それがこれかほんとうのこいか。))