当てつけるように抱きしめた。
誰になんて今はどうでもいいこと。
「どうしたの。」
きみは返事をしない。
かさついて震える唇を人差し指でなでる。
横たわるにはここは寒いよ。
眠いのならここではない屋根のあるところに。
「アキラ。」
上がる口角を止められない。
喉からは木枯らしのような冷たい音。
寒いのかな。
きみを膝に抱える。
掌、に。
あかいはな。
細く長いまつげが震えた。
ああ、さよならだね。
体が歓喜でどうにかなりそうだ。
今、そしてこれから。
きみの瞳に最後に映ったのは僕であるという事実が出来上がるんだ。
頭の中がうるさい。
がちゃがちゃと声が誰かを呼んでは消えるその繰り返し。
返事をしないきみをこれから僕は。
ガラスケースにでも閉じ込めて。
そして毎日頬を撫でて愛を語ろう。
僕だけを映して閉ざされた瞳に口付けを。
「もうはなさない、よ。」
きみの分までとでも言うように心臓がどくんと跳ねた。
失ったものは何も無い。
だって僕は今、きみを僕だけのきみにし終えたのだから。
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((かわいいぼくのおにんぎょう))
ごめ…なさ…('A`)
やっちゃったよBADのケイアキです…。
相変わらず描写の少ないテキストですいません。